研究内容

プロジェクト4(1)

IGFやインスリンの新しい細胞内シグナル修飾機構を見つける

 インスリン様シグナル分子のうち、IGF-I受容体・インスリン受容体・インスリン受容体基質(IRS)がSer/Thrリン酸化修飾される結果、受容体キナーゼ活性が抑制されたり、IRS-1のチロシンリン酸化が抑制されることが報告されています。私たちも、セリン/スレオニンリン酸化により、IRS-1あるいはIRS-2のIGF/インスリン依存性チロシンリン酸化が修飾されることを見出しています。このように、セリン/スレオニンリン酸化は、IGF/インスリンの細胞内シグナル修飾機構の一端を担っていると考えられます。既に、IRS-1については、多くの細胞外因子の刺激に応答してリン酸化されるセリン/スレオニン残基が数多く決定されており、この修飾によって、レセプターキナーゼによるチロシンリン酸化が抑制される、チロシンリン酸化IRSへのシグナル分子の相互作用が阻害されることなどが示されています。

 また、IRSには多くのセリン/スレオニン残基があり、種々の細胞外因子が活性化するシグナル系によってリン酸化されることが知られています。これらの修飾により、IRSとIRS結合タンパク質との相互作用、IRSの分解、受容体チロシンリン酸化およびIRS下流のシグナルが調節されていると考えられます。

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