動物細胞制御学研究室

2024年4月15日更新

このページは動物細胞制御ホームページの簡易版になります。詳しい研究内容などについては、動物細胞制御学研究室のホームページ詳細版をご覧になってください。

教員

教授 高橋 伸一郎(農学博士)

准教授  伯野 史彦 (理学博士)

主な研究テーマ

1) アミノ酸組成の異なる食餌によって誘導される成長遅滞・異所性脂肪蓄積・脂質代謝異常の発症メカニズムの解明

2) 代謝を制御するアミノ酸シグナルの同定

3) インスリン様活性調節機構の異常により発症する種々の疾病の制御法の開発

動物細胞制御学研究室では生体の調節機構を、細胞生物学を中心に、分子生物学、生化学、組織学、発生工学などの広範な手法を用いて解明するとともに、人類に役立つ新しい生命科学の技術開発を目指しています。とりわけ生体から分離培養した動物細胞を人工的な環境下で飼い慣らし、無限とも思われる細胞の能力を引き出して将来役に立つ研究を指向しています。

これまで、私達は、インスリンやインスリンに構造が類似したインスリン様成長因子(IGF)に注目して研究を進めてきました。これらの生理活性(インスリン様活性)の合目的的かつ緻密な調節が、正常な発生・発達、成長・成熟、代謝制御、老化に重要であることが明らかになっています。この活性が過剰に抑制されれば、成長障害、糖尿病、脳神経変性疾患、動脈硬化、骨粗鬆症などを、逆に過剰に増強されれば、過成長やがんを発症します。したがって、一生にわたってこの活性を適度な範囲に調節することが、健康寿命の延伸に重要になるわけです。また、最近になって、インスリン様活性は、アミノ酸をはじめとした栄養因子によって調節されていることが明らかになってきました。当研究室では、これらの調節機構を、転写制御・スプライシング制御・RNA安定性制御・翻訳制御・タンパク質安定性制御・タンパク質分子内修飾制御・タンパク質間相互作用制御・細胞内局在制御など、分子レベルで明らかにし、それを利用して種々の疾病の解除法の開発を推進しています。また、この機構は、線虫からヒトに至るまで保存されている重要な機構であることから、哺乳類だけに限らず、地球上の生物が共生していくための研究や高品質な食資源動物の開発も進めています。このような研究の実現のために、分野そして国境越えた共同研究を実践しています。最近は、数理学的観点も加え、「分子から生理を理解する」というreverse physiologyを目指しています。

当研究室は動物生命システム科学専修・応用動物科学専攻を主に担当していますが、応用生命化学専攻からの研究室配属も可能になっています。

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問い合せ:

伯野(7号館B棟332号室、内線21310、hakuno@g.ecc.u-tokyo.ac.jp)